「刃魔正忍記」リプレイ② 陰りゆく平穏【ネタバレ注意】

こちらは『忍術バトルRPG シノビガミ』のリプレイ記事です。

プレイシナリオ:「刃魔正忍記 天の巻」
(『シノビガミ シナリオ集 正忍記・認』掲載、MASASHIGE氏執筆)

元は4人用シナリオの「刃魔正忍記」を、5人用シナリオに改変してプレイしています。
そのため、【使命】や【秘密】の文章、キャラクターや用語の設定などを一部、創作・変更して使用させていただいています。
(なお、シナリオ改変とは関係なく、GMが説明しやすいよう、多少表現を変えている部分もあります)

元シナリオ等、引用部分の著作権は著者、出版社・発売元に帰属します。

©冒険企画局 ©河嶋陶一朗 「忍術バトルRPG シノビガミ」

ネタバレにはくれぐれもお気をつけて!

前の記事はこちら↓

登場するPC

PC1 板鳥侑治(不知火)
・平和に暮らす学生忍者
・おそらく主人公

PC2 烏川流彦(私立御斎学園)
・PC1の命を狙う転校生
・おそらく裏主人公

PC3 高峰律(斜歯忍軍)
・PC1の幼馴染
・おそらくヒロイン

PC4 地虫風太郎(鞍馬神流)
・PC1とPC3の先輩
・おそらくサポートキャラ

PC5 みぃちゃん(隠忍の血統)
・PC2の従者
・おそらく…マスコット?

episode 1 ~陰りゆく平穏~

メインフェイズ(1サイクル目)

行動順:みぃちゃん(PC5)高峰律(PC3)地虫風太郎(PC4)烏川流彦(PC2)板鳥侑治(PC1)
シーン表:学校シーン表

GM:翌日以降、早乙女イツキ以外にも、ぽつりぽつりと生徒の失踪が増えていきます。
GM:それではメインフェイズ開始となります。よろしくお願いします。

1-1.みぃちゃん(PC5)のシーン

シーンプレイヤー:みぃちゃん(PC5)
選択:ドラマシーン、感情判定→高峰律(PC3)
出演:高峰律(PC3)

みぃちゃん(PC5):GAST 学校シーン表(8) > 学食のカフェテリア。生徒たちがまばらに席につき、思い思い談笑している。

PL5:高峰さん出てきてほしい。感情判定します。
GM:(烏川じゃないんだ……)

カフェテリアにいる高峰。
水道の蛇口からいきなり『何か』が現れる。

みぃちゃん(PC5)「こんにちはだミュ!」
高峰律(PC3)「うわ! 何!?」
みぃちゃん(PC5)「ボクだミュ! 朝に会ったマスコットのみぃちゃんだミュ!」
高峰律(PC3)「……さっきの烏川くんのお供?」
みぃちゃん(PC5)「そうだミュ!」

高峰律(PC3)「いい? 私だから良かったけど、他の忍者じゃない人の前には……」
高峰は蛇口から現れたみぃちゃんに言い聞かせようとするが、みぃちゃんは聞いていない。

みぃちゃん(PC5)「キミを女子高生と思って折り入って頼みがあるミュ! ボクと契約して魔法少女になってほしいミュ!」
高峰律(PC3)「……ハァ?」

みぃちゃん(PC5):【流言の術】で感情判定、成功
みぃちゃん(PC5)高峰律(PC3):友情
高峰律(PC3)みぃちゃん(PC5):愛情

PL3:愛情か妬み……。うーん、愛情かなあ。実は可愛いものが好きなのかな。
※ハウスルールで、感情はダイスロールしても良いし、自分で好きなものを選んでも良いことにしている。この時はダイスロールのせい。

みぃちゃん(PC5)「やったー! 今日からボクらは運命共同体だミュ! キミはボクの戦友だミュ!」
高峰律(PC3)「烏川くんの情報を教えてくれるなら良いわよ」
みぃちゃん(PC5)「それはもっと仲良くなってからだミュ!」

1-2.高峰律(PC3)のシーン

シーンプレイヤー:高峰律(PC3)
選択:ドラマシーン、情報判定→早乙女イツキ
出演:PC全員

高峰律(PC3):GAST 学校シーン表(11) > 特別教室。音楽室や理科室にいるのってなんか楽しいよね。

特別教室に向かう高峰に、みぃちゃんがついていく。
そこに、烏川達も現れた。

みぃちゃん(PC5)「あれ、流彦クン!」
烏川流彦(PC2):「なんだ、お前もいたのか」
みぃちゃん(PC5)「ちゃ、ちゃ~んとお仕事してるミュよ!」
烏川流彦(PC2)「どうしたみぃちゃん、何かわかったのか?」

高峰律(PC3):【調査術】で情報判定、失敗
→神通丸で再判定、成功
情報共有:高峰律(PC3)みぃちゃん(PC5)

【早乙女イツキ秘密】
この【秘密】を獲得しているPCは、自分のシーンに早乙女イツキを登場させることができる。あなたはは忍者であり、妖魔「朧丸」に見つからないように自分の意思で行方をくらませていた。
あなたの【本当の使命】は「朧丸」に自分の能力を知られないことだ。

あなたにはもうひとつ【秘密】がある。

あなたがPC2にプラスの【感情】を取得した場合、PC2が望めば朧丸・夜叉姫を除く敵1体をクライマックスフェイズに登場させないように戦ってくれる。ただし、もう一つの【秘密】に対して誰かが情報判定を行った場合は戦わずに姿を消す。

PL3:協力型ですし、他のPC全員に情報を渡します。
GM:では全体公開にします。

高峰律(PC3)「私としたことが、今まで気づかなかったとはね」
烏川流彦(PC2):「あいつも忍者か……忍者だらけだな」
みぃちゃん(PC5)「これはすごい秘密だミュ!」

他PL:何か新キャラ出てきた。夜叉姫って誰?
GM:あっ……そのうち出てきます!

1-3.地虫風太郎(PC4)のシーン

シーンプレイヤー:地虫風太郎(PC4)
選択:ドラマシーン、情報判定→学園の人々
出演:PC全員

地虫風太郎(PC4):GAST 学校シーン表(8) > 学食のカフェテリア。生徒たちがまばらに席につき、思い思い談笑している。

地虫風太郎(PC4)「もめごとは嫌いだけどそうも言ってられない状況だね。早く解決するためにも行方不明者について調べよう。誰か手伝ってくれない?」
高峰律(PC3)「私は行きますよ」
みぃちゃん(PC5)「じゃあボクもいくミュ!」
烏川流彦(PC2)「僕も手伝おう」

PL4:【地の利】で情報判定します。
GM:【地の利】は戦闘時の地形利用なので、単純には情報判定に使えないです。
PL4:じゃあ…カフェテリアの天井に潜んで生徒達の噂を聞くとか?
GM:それなら許可します。

地虫風太郎(PC4):【地の利】で情報判定、成功

【学園の人々 秘密】
拡散情報。朧丸が学園の屋上に設置した髑髏からあふれ出る瘴気により、学園の人々は徐々に妖魔と化している。学園で起きているのは失踪事件ではなく妖魔化事件なのだ。
髑髏を破壊するまでは、サイクルが経過するごとに、クライマックスフェイズで2体の餓鬼(忍秘伝P136)が追加される。また髑髏を破壊せずにメインフェイズが終了すると、全ての学園の人々が妖魔化する。
髑髏に対して戦闘シーンを宣言すると、2体の幽々(基本P193)との戦闘になる。この戦闘に勝利すれば髑髏を破壊できる。PCはこの【秘密】を獲得すると同時に髑髏の【居所】も獲得する。
朧丸は、髑髏が破壊されるまでにPCが使用した【奥義】の情報を全て獲得できる。

板鳥侑治(PC1)「な、なんだって!」
地虫風太郎(PC4)「こいつはヤバイ! 最近みんなの様子が変だったのはこれのせいか」
高峰律(PC3)「絶対に阻止しないと……」
烏川流彦(PC2)「妖魔化だと…おのれ朧丸!」
みぃちゃん(PC5)「ヤバい学園だミュ! 律チャン、流彦クン、気を付けるミュ!」

1-4.烏川流彦(PC2)のシーン

シーンプレイヤー:烏川流彦(PC2)
選択:ドラマシーン、感情判定→板鳥侑治(PC1)
出演:PC全員

烏川流彦(PC2):GAST 学校シーン表 学校シーン表(10) > 校舎と校舎をつなぐ渡り廊下。あなた以外の気配はないが……。

みぃちゃん(PC5)「ボクはもちろんいるミュ! 人じゃないから!」

PL2:髑髏を破壊しておかないとまずいですね。次のシーンプレイヤーが板鳥なので、板鳥と感情を結ぼうかな。
PL1:それで自分のシーンで戦闘すれば良いわけですね。髑髏の居所はもらってる、と。了解です。
PL2:では、板鳥を呼び出します。他の人も出てきて大丈夫です。
他PL:じゃあ少し離れたところで様子を窺ってます。

板鳥侑治(PC1)「よう」
烏川流彦(PC2)「来たか、板鳥」
板鳥侑治(PC1)「妖魔が髑髏で皆がやべーんだってな」
烏川流彦(PC2)「お前には聞かなければいけないことがあるが……今はそれどころではない」

高峰律(PC3)「(怪しい動きをしたら刺す)」
話す2人を、高峰がじいっと見守っている。

みぃちゃん(PC5)「現在の魔法少女を見守るべきか? 未来の魔法少女を見守るべきか? そこが問題だミュ……」
みぃちゃんは烏川と高峰を見比べながら、迷っているようだ。

板鳥侑治(PC1)「ああ、聞きたいことならあとで答えてやるよ。それよりも今は皆を助けねーとな」
烏川流彦(PC2)「今は妖魔が先だ。一時的にだが、お前と協力してやってもいい」
板鳥侑治(PC1)「よし、やろうぜ」

PL2:特技が戦闘系ばっかりだった……。うーん、何で判定しよう?
GM:うーん…。【用兵術】は部隊を効率的に運用できる技術なので、効率的に協力できる方法を考えることで感情を結ぶ、とかでどうですか。
PL2:じゃあそれでいきます。

烏川流彦(PC2):【用兵術】で感情判定、成功
烏川流彦(PC2)板鳥侑治(PC1):共感
板鳥侑治(PC1)烏川流彦(PC2):友情

2人の忍びは、一時的な協力関係を結んだ。

他PL:敵だけど友情を結ぶの、ライバルっぽくて良いですね。

1-5.板鳥侑治(PC1)のシーン

シーンプレイヤー:板鳥侑治(PC1)
選択:戦闘シーン→髑髏
乱入:烏川流彦(PC2) 

PL1:髑髏と戦闘に行きます。
PL2:感情を結んでいるので乱入します。
GM:分かりました。他のPCも演出修正のために背景として出てきても良いですよ。

みぃちゃん(PC5)「律チャン、放課後ミュ! クレープとか食べに行くミュ~♪」
高峰律(PC3)「のんきしてる場合じゃないわよ。ご褒美は事件が解決したらね」
みぃちゃん(PC5)「やだやだやだ~~! ボク魔法少女の相棒ができたら放課後デートするって夢だったミュ!! こんな胡散臭い学校は置いといて学外に繰り出すミュ!」
高峰律(PC3)「(うざかわ……)」
地虫風太郎(PC4)「僕も一緒に行っていいかな。甘いものには目がなくてね」
みぃちゃん(PC5)「ボクと契約して魔法少女になってくれるミュ?」

わいわい騒ぐ高峰達を尻目に、板鳥と烏川は屋上へと向かう。
瘴気を吐き出す髑髏。
それを破壊しようとした2人の前に、妖魔、幽々が立ちはだかる。

烏川流彦(PC2)「妖魔め、髑髏を守っているのか」

みぃちゃん(PC5)「クレープ食ってる場合じゃねえ!」
他の忍び達も駆け付ける中、2人はそれぞれに、構えた。

1ラウンド目

プロット5:板鳥侑治(PC1)
プロット4:幽々1
プロット3:烏川流彦(PC2)
プロット2:幽々2

プロット5/板鳥侑治(PC1)のターン

板鳥侑治(PC1):幽々1に【接近戦攻撃】、命中
幽々1:回避判定(高峰律(PC3)が演出修正)、失敗
→幽々1に接近戦ダメージ1
→幽々1脱落…

板鳥が攻撃を仕掛ける。
同時に高峰が火矢を飛ばし、幽々の気を逸らす。

板鳥侑治(PC1)「おらあ!(バキッ)」
幽々「kiaaaaaa」

プロット3/烏川流彦(PC2)のターン

烏川流彦(PC2):幽々2に【接近戦攻撃】(地虫風太郎(PC4)みぃちゃん(PC5)が演出修正)、命中
幽々2:回避判定、失敗
→幽々2に接近戦ダメージ1
→幽々2脱落…

みぃちゃん(PC5)「流彦クン! キミはこんなところでくじける子じゃないミュ!」
地虫風太郎(PC4)「奴に隙を作る!」
烏川流彦(PC2)「余計な真似を…だが助かった! くたばれ妖魔!」
幽々「iaaaaaaaa」

GM:ええー! 何もできなかった!
GM:幽々が2体とも脱落したので戦闘終了します。(勝者と戦果は省略)

板鳥侑治(PC1)「ナイス! 流彦!」
烏川流彦(PC2)「やったか!」
みぃちゃん(PC5)「魔法少女、ときどき少年の勝利ミュ!」

泣き叫びながら、幽々が逃げていく。
板鳥達はすかさず髑髏を破壊した。

板鳥侑治(PC1)「よし! これで皆の妖魔化も止まるはずだ!」
みぃちゃん(PC5)「イタドリ、すごいミュ!」
地虫風太郎(PC4)「すでに妖魔になった子たちも救えたらいいんだけどね……」
みぃちゃん(PC5)「魔法少女に不可能はないミュ!」
高峰律(PC3)「ひとまず、これ以上の被害は食い止められたことを良しとしましょう」

板鳥侑治(PC1)「許せねえ……朧丸!」
烏川流彦(PC2)「(こいつは本当に妖魔の敵なのか……?)」

拳を握る板鳥を見て、烏川は一瞬、迷いを覚える。

烏川流彦(PC2)「少なくとも朧丸を倒すまでは協力してやるか……」

1-6.マスターシーン

シーンプレイヤー:朧丸
選択:ドラマシーン
出演:PC全員、夜叉姫

GM:えー、では。2サイクル目に入る前に、マスターシーン入ります。
PL:……ん?

髑髏を破壊することができ、喜び合う忍び達。
と、そこで、校庭に2人の人影が現れる。
人外じみた朱い髪の少年に、背の高い女が付き従っている。

夜叉姫「朧丸様、こちらに」
朧丸「…………」

みぃちゃん(PC5)「新しい魔法少女の気配ミュ~~!」

GM:いやちょっと(笑)

彼らが発する妖しさに、忍び達の肌がぴりぴりと焼かれる。
太陽が天高くある真昼間だというのに、何か、血が冷える心地がした。

朧丸「……忍法、逢魔時」

朧丸:RTT2 体術分野ランダム特技表(8) > 『体術』走法

GM:逢魔時は妖魔忍法です。回避するには【走法】で判定お願いします。
GM:……あれ、この場合、夜叉姫も判定するのか?

板鳥侑治(PC1)高峰律(PC3)地虫風太郎(PC4):判定成功
烏川流彦(PC2)みぃちゃん(PC5)、夜叉姫:判定失敗
烏川流彦(PC2)、神通丸で再判定、成功

→判定失敗のPC・NPCに接近戦ダメージ1
 みぃちゃん(PC5):生命力6→5
 夜叉姫:生命力6→5

影が高速で彼らに襲いかかった。
忍び達はすばやく横に避けたものの、なおも、烏川、みぃちゃんに影が肉薄する。
烏川はかろうじて逃れたようだが、みぃちゃんは被弾した。

地虫風太郎(PC4)「この忍法は!」
板鳥侑治(PC1)「おい、大丈夫か! 流彦! みいちゃん!」
高峰律(PC3)「くっ……何なの、あいつ」
烏川流彦(PC2)「大丈夫だ、神通丸で凌いだ」
みぃちゃん(PC5)「ぼ、ぼこぼこにされミュんですけど!? ミュ、マスコットなんミュですけミョ!?」

教師「ああ……あ……」
校庭や、窓の近くにいた何名かの学生や教師が、影に襲われているのが見える。
襲われた人々は、餓鬼に変わってしまう。
餓鬼「ガ、グガ、ガ」

PL:ええー!
PL:せっかく髑髏、壊したのに!
GM:(髑髏を壊されるのはもっと後のつもりだったのに……)

板鳥侑治(PC1)「おい! やめろ!!」
烏川流彦(PC2)「おのれ朧丸……!」
高峰律(PC3)「そんな……みんなが……!」
地虫風太郎(PC4)「あんな術を使うなんてあの妖魔いったい」
高峰律(PC3)「チッ、私が居ながらこんなことに……不覚だわ」

人間達は気にも留めず、朧丸は錆びついた短刀を掲げる。
それにあわせ、夜叉姫もまた、両手を空に掲げた。

朧丸「俺は俺のために、力を取り戻す」

空中に現れた黒点から、まるで空を覆うように、黒いカーテンが下りてくる。
闇色の結界が、学園をすっぽりと覆うように構築されていく。

漂う瘴気。
暗がりから、妖魔達がゆらりと姿を現し、残っている生徒達は混乱と喧噪に包まれた。

そうして、忍び達が妖魔や影に気を取られている内に、朧丸達は姿を消してしまった。

みぃちゃん(PC5)「流彦クン、もうこんなとこ捨てようミュ。なんかヤバいミュ!」
烏川流彦(PC2)「何を言っているんだ、朧丸がすぐそこにいるんだぞ!」
みぃちゃん(PC5)「ミュみゅみゅう~……」
地虫風太郎(PC4)「かわいそうだけどもう逃げられる状態じゃないよ」
高峰律(PC3)「契約したからには最期まで付き合ってもらうわよ」
みぃちゃん(PC5)「ハイ! 喜んで!」

GM:というわけで、学園は変わり果ててしまいました。
GM:以後のシーン表は「魔都学園シーン表」になります。

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