「刃魔正忍記」リプレイ⑥ 戦争、開幕【ネタバレ注意】

こちらは『忍術バトルRPG シノビガミ』のリプレイ記事です。

プレイシナリオ:「刃魔正忍記 地の巻」
(『シノビガミ シナリオ集 正忍記・認』掲載、MASASHIGE氏執筆)

元は4人用シナリオの「刃魔正忍記」を、5人用シナリオに改変してプレイしています。
そのため、【使命】や【秘密】の文章、キャラクターや用語の設定などを一部、創作・変更して使用させていただいています。
(なお、シナリオ改変とは関係なく、GMが説明しやすいよう、多少表現を変えている部分もあります)

元シナリオ等、引用部分の著作権は著者、出版社・発売元に帰属します。

©冒険企画局 ©河嶋陶一朗 「忍術バトルRPG シノビガミ」

ネタバレにはくれぐれもお気をつけて!

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登場するPC

PC1 板鳥侑治(不知火)
・平和に暮らしていた学生忍者
・おそらく主人公

PC2 烏川流彦(私立御斎学園)
・PC1の命を狙う転校生
・おそらく裏主人公

PC3 高峰律(斜歯忍軍)
・PC1の幼馴染
・おそらくヒロイン

PC4 天草雷(鞍馬神流)
・PC1とPC3の先輩…だった
・サポートキャラに見せかけたメインキャラ

PC5 みぃちゃん 改め 巳ィちゃん(隠忍の血統)
・PC2の従者
・マスコットを目指した妖魔の一部

prologue ~戦争、開幕~

導入フェイズ

GM:導入では、PC達はそれぞれ単独行動中になります。
GM:みぃちゃんは前回(天の巻)ラストで離脱していますし、烏川くんも消耗が激しかったので一旦離脱していたことにしてください。他のPCも一度、休むために寮の自室に戻った等でお願いします。その後、情報を集めたり外に出たりするPCもいるでしょう。

GM:東京の異変を受けて、それぞれの流派や一族と連絡を取り合ったりするPCもいたかもしれませんね。
GM:東京に大規模な妖魔の群れが現れ、各流派は対応に追われているようです。朧丸の一件や、十束剣、両断戦争について、多少なら報告・情報交換もできたことでしょう。

0-1.板鳥侑治(PC1)導入

出演:板鳥侑治(PC1)、ガオルン

GM:板鳥は……どこか見回りっぽく外にいて欲しいんですけど。
GM:学園の屋上とかにしましょうか。

学園の屋上から街を眺める板鳥。
突如、闇から異形の手が伸びて、板鳥に襲い掛かった。

板鳥侑治(PC1)「ど、どうなってやがる!?」
ガオルン「久しぶりだな、ユウジ」

青龍刀を構えた青年が姿を現した。板鳥に肉薄する。

板鳥侑治(PC1)「誰だ!!」

PL1:いや、本当に誰?
PL4:久しぶりだなって言われてるよ。
PL1:PCに情報が開示されていないので知らない人です!
GM:(……それはそう!)
GM:板鳥は前回、記憶を奪われていたので、まだそんなに記憶が戻っていないということでいきましょうか。

板鳥侑治(PC1)「お前は……?」

訳も分からず相対する板鳥に、ガオルンが攻撃を仕掛ける。

板鳥侑治(PC1)「なにしやがる!」
ガオルン「お前も戦うんだろう? まあ、今日のところは旧交を温めに来ただけだよ」
板鳥侑治(PC1)「旧交……? お前、俺のこと、知ってるのか?」

自分が分からない様子の板鳥に、青年も青龍刀を引き、怪訝な顔をした。

板鳥侑治(PC1)「くそっ! 今はこんなことしてる場合じゃないだろ! なんか街の様子がおかしいんだ!」
ガオルン「話が通じないな。街の様子? それがどうした?」
板鳥侑治(PC1)「話が通じないってのはこっちの台詞だ!」

ガオルン「……んー、メインディッシュを早々に食べちまうのはつまらねぇから、今日はもういいか」

ガオルンは肩を竦めると、刀を仕舞う。
そして「じゃあな!」と軽く言い、姿を消した。

板鳥侑治(PC1)「な、なんだったんだアイツ……」
板鳥侑治(PC1)「朧丸を倒したら……街が変になって、頭のおかしいやつらが出回るようになったのか?」

【PC1使命】
遂に始まってしまった両断戦争。かつて友人だった者達が、互いに刃を向け合う中、あなたは光明を求めて東京の街を奔走する。
カガリの犠牲を無駄にしないためにも、あなたはこの戦争を止める決意をした。
あなたの【使命】は両断戦争を止めることだ。

【ガオルン 使命】
隠忍の血統、男性。
魔仭「十束剣」の一人。【使命】は両断戦争の勝者となることだ。
十束剣としての形状は青龍刀。銘は「華刀・九龍」である。

GM:たぶんこのガオルンは中国人系かな。
PL1:青龍刀ですしね。

0-2.烏川流彦(PC2)導入

出演:烏川流彦(PC2)、早乙女イツキ

PL2:烏川って未来人だけど、現代の御斎学園とコンタクトとか取れるんですかね?
GM:協力関係を結んでいることにして良いですよ。
PL2:未来から来たって信じてもらえるんだろうか……。
PL4:忍者なので大丈夫じゃないですか(笑)

廃ビルに身を潜める烏川の元に、人影が現れる。

早乙女イツキ「…………」
烏川流彦(PC2)「誰だ! ……お前か」

影が早乙女だと気づき、身構えていた烏川は少し力を抜く。

早乙女イツキ「…あなたのお兄さんは、よくあなたの話をしていたわ。可愛い弟だったって」
烏川流彦(PC2)「兄さんの話はやめろ」

早乙女イツキ「もしあなたが十束剣を持っているなら、私に預けてくれないかしら。それは危険なものよ。カガリの弟を、戦いに巻き込みたくないの……」
烏川流彦(PC2)「これは僕の使命だ。兄さんの遺志を継いで、シノビガミになる前に、ヤツを……」

頑なな烏川。
早乙女は悲しげな表情を浮かべ、去っていった。

【PC2使命】
遂に、十束剣たちによる両断戦争が始まった。誰がどんな力を持っているか、自分がどんな力を手にしているのか。それは関係がない。あなたはあなたの望む未来を手にするため、ただ戦う。
あなたの【使命】はPC1を殺害することだ。

【早乙女イツキ 使命】
御斎学園、女性。
魔仭「十束剣」の一人。【使命】は両断戦争の勝者となることだ。
十束剣としての形状はレイピア。銘は「宙刀・異月」である。

【神刀・禍狩 概要】
烏川カガリの亡骸である剣。このプライズには【秘密】があり、プライズ保持者のみ情報判定の目標にすることができる。

0-3.高峰律(PC3)導入

出演:高峰律(PC3)、刻阪カエデ

GM:高峰さんは自室とかにいてほしいです。
PL3:分かりました。
GM:では、高峰さんに通信が入ります。斜歯なので、ハイテク忍者端末でしょう。

刻阪カエデ「もしもし、聞こえてる?」

PL3:この人は知り合いですか? 顔見知り?
GM:自由にしてもらって大丈夫です。高峰さんは斜歯と連絡取って、報告と引き換えに多少は情報得ているでしょうし、この人が斜歯に所属する「十束剣」だということは知っています。

高峰律(PC3)「……なに? 私、今機嫌が悪いの。手短にお願い」

そっけなく応じる高峰に、刻阪は「ご愁傷様…」と呟く。
そうして、真面目な声色で、続けた。

刻阪カエデ「あなたも、この東京や、あなたの幼馴染を、何とかしたいと思ってるんでしょう?」
刻阪カエデ「あたしは十束剣で、両断戦争に参加する権利があるわ。同じ斜歯忍軍の一員として、あたしをサポートして欲しいの」

高峰律(PC3)「この戦争を終わらせられるなら、何でも構わないわ」
刻阪カエデ「ありがと。もちろん、できる範囲でいいの」
高峰律(PC3)「わかった。何か助けが必要ならまた連絡して」

【PC3使命】
隔絶された魔都東京。流派のバックアップが満足に得られない中、両断戦争を止めようとするPC1と共に、あなたは東京を駆ける。
あなたの【使命】は両断戦争を止めることだ。

【刻阪カエデ 使命】
斜歯忍軍、女性。
魔仭「十束剣」の一人。【使命】は両断戦争の勝者となることだ。
十束剣としての形状は忍者刀。銘は「邪刀・楓」である。

PL5:さっきの2人(板鳥、烏川)の導入に対して、ここは和やかに終わりましたね。

0-4.天草雷(PC4)導入

出演:天草雷(PC4)、獅童タケル、無道シュリ

GM:天草は街を歩いていて、何となく見覚えのある顔を見つける、という形でお願いします。
GM:人形の身体から本来の身体に戻ったばかりなので、まだ記憶は曖昧ということにしても構いませんし、戻っているということにしても大丈夫です。
GM:ちなみに「十束剣」達は、刀匠の元で数年を共に過ごしていますので、通常ならお互いのことはよく知っています。

静まり返った街並みの中、天草は立ち止まる。

天草雷(PC4)「あいつ、見覚えがあるような?」

しゃがみこみ俯く少女。
天草と同時に、もう一人、少年がその場で足を止めた。

無道シュリ「もういやです…こんなの……」
獅童タケル「お前…ライか?」

PL5:今度は2人まとめて出てきた!

天草雷「あなたは……獅童?」

PL4:あまり覚えてないけど弱みを見せたくないので知ったかぶります。

獅童タケル「あー、なんつーか、難儀だよな。カガリがああなって…もう会わないもんだと思ってたのに」
天草雷(PC4)「そうね……」

無道シュリ「ライちゃん、ヨウは…いえ、愚問ですよね。忘れてください」
天草雷(PC4)「……そう、死んだわ」

それ以上の質問を拒むように、天草は逆に2人に尋ねる。

天草雷(PC4)「あなたたちはここで何を?」
獅童タケル「ただ行き会っただけだよ」
無道シュリ「……化け物が出て……もういや…」

PL1:この無道、ハンドアウト見ると、忍者じゃなくて一般人ですか?
GM:そうです。元々忍者ではないんですが、素質があったので、十束剣にされてしまいました。

獅童タケル「お前も、叶えたい願いがあるんだろ? ……次に会ったら敵だ」
天草雷(PC4)「そうね、出会わないように祈りましょう」
無道シュリ「…………」
獅童タケル「じゃあ、また」

憔悴した様子の少年少女は、別々の闇の中に消えていったのだった。

【PC4使命】
自分の肉体に戻ったあなたは、今や全てを思い出した。大切だった人は死に、かつての仲間は妖魔に変じた。「もう戦わなくてもいい。死ぬ者のことは忘れて、君は生きろ」と彼は言った。だが、力があれば、死者すらも生き返らせることが可能なはずだ。
あなたの【使命】は、自分がシノビガミとなり、この両断戦争で傷ついた者全てを救うことだ。

【獅童タケル 使命】
バヨネット、男性。
魔仭「十束剣」の一人。【使命】は両断戦争の勝者となることだ。
十束剣としての形状は銃剣。銘は「武刀・猛」である。

【無道シュリ 使命】
一般人、女性。
魔仭「十束剣」の一人。【使命】は両断戦争の勝者となることだ。
十束剣としての形状は竹刀。銘は「滅刀・朱裏」である。

0-5.巳ィちゃん(PC5)導入

出演:巳ィちゃん(PC5)、アレン・ニューワールド

GM:みぃちゃんが巳ィちゃんになってる……。
PL1:ていうかみぃちゃんいるんですね。新キャラで参加するのかと思ってた。
PL5:自分もそう思ってましたが、継続らしい。
GM:死んではいないので。
PL5:みぃちゃんは前回は水道で移動してたので、妖魔になった今回は下水で移動します。
GM:!?

下水にうごめく巳ィちゃんの前に、にこやかな少年が現れた。

アレン・ニューワールド「君……妖魔だね?」
巳ィちゃん(PC5)「ミュ? 人間がなんでこんなところにいるミュ? キミも下水道ダイブが趣味だミュ?」

GM:本当に、アレンはなんで下水にいるんだろう…。(※みぃちゃんのせい)

アレン・ニューワールド「僕はヒーローなんだ。人に仇なす存在は抹殺しなくちゃ……だけど、今は準備不足なんだよね……」
巳ィちゃん(PC5)「ボクと契約して魔法少女になれば力を貸してあげるミュ!」
アレン・ニューワールド「変な妖魔だなあ。気が抜ける」
巳ィちゃん(PC5)「みぃちゃんはかわいいマスコットだミュ……」

アレン・ニューワールド「今度もっと空気のいいところで戦おうね。ばいばい」
巳ィちゃん(PC5)「契約は随時お待ちしてるミュ~」

【PC5使命】
十束剣の欠片を失い、あなたの身体は妖魔「八岐大蛇」に憑依された。八岐大蛇の願いは一つ、完全な形でこの世に顕現すること。封印の関係者であるPC1、PC2に目を向けながら、あなたは妖魔の力を振るう。
あなたの【使命】は八岐大蛇を顕現させることだ。

【アレン・ニューワールド 使命】
世界忍者連合、男性。
魔仭「十束剣」の一人。【使命】は両断戦争の勝者となることだ。
十束剣としての形状はビームソード。銘は「光刀・逢恋」である。

PL1:このキャラ男ですか!
※立ち絵を少女めいた外見で用意していた。GMの趣味。

PL4:世界忍者連合って何でしたっけ?
GM:ハグレモノの下位流派ですね。
PL1:世界忍者連合だし、ビームソードだし、属性盛りすぎでは……。
GM:(笑)
GM:1サイクル目に入る前に、両断戦争のルールと、真夜中シーンについて説明します。
GM:両断戦争のルールは…まあクライマックスフェイズでまた見ていただければ。
GM:真夜中シーンは今セッションだけの特殊ルールです。

【両断戦争のルール 概要】
世界は変質し、東京は闇に呑まれた。
カガリの死後、関わらないようにそれぞれの生活を送っていた「十束剣」達は、再び邂逅することとなった。魔都と化した東京を救うためには、誰かが両断戦争の勝者にならなければならないのだろうか。

このハンドアウトの【秘密】はプロローグ後に自動的に公開される。

【両断戦争のルール 秘密】
拡散情報。
両断戦争は、「十束剣」を束ねた者をシノビガミとするための儀式である。各キャラクターは、クライマックスフェイズ開始時に保持している「十束剣」の数だけ追加の【生命力】スロットを持つ。また、命中判定の前に宣言することで、一度だけ【接近戦攻撃】のダメージを1D6に変更することができる。クライマックスフェイズが6ラウンド経過すると、以降【生命力】が低い者から1ラウンドに1名ずつ脱落する。そしてクライマックスフェイズの勝者が両断戦争の勝者となり、両断戦争は終結する。
両断戦争の勝者は、戦果の選択後、その戦闘で脱落したキャラクターを殺害して「十束剣」を奪うことができる。その結果、保持する「十束剣」5本ごとに、以下の能力を一つ使用できる。
1.シノビガミになり、魔都東京を支配する。支配すれば死者の復活や記憶の改竄も可能。
2.シノビガミの力を譲渡する。

【真夜中シーン】
真夜中シーンでは、各PC・NPCは、密かに誰かを襲撃したり、護衛したりできる。ただし、そのサイクル中に1点以上【生命力】が減少しているPC・NPCは真夜中シーンに行動できない。PC間での相談は不可。

【真夜中カードの運用】
・襲撃、護衛、パスのいずれかの行動を選ぶ
(そのサイクル中に生命力減少していれば必ずパス)
・襲撃は十束剣の所持者のみが可能
・襲撃した対象が護衛されていれば、襲撃失敗
・複数人が同じ対象を襲撃した場合
 →護衛あり:襲撃失敗
 →護衛なし:襲撃順はランダムで決定
・自分の護衛も可能

【NPCへの襲撃が成功した場合】
・NPCが持つ十束剣の数が自分より少なければ、全ての十束剣を奪える
・NPCが持つ十束剣の数が自分以上なら、1つだけ奪える
・十束剣を全て奪われたNPCは死亡し、【秘密】が公開される

【PCへの襲撃が成功した場合】
・射撃戦ダメージを1点与える

GM:それでは、始めていきましょう!

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