映画「シェイプ・オブ・ウォーター」感想

今日見た映画の感想。
ツイッターで呟いたことまとめ+αなので、なんとなく話題があっちこっちとっちらかる。
ちょっと書くだけのつもりだったのに長くなってしまった。

「シェイプ・オブ・ウォーター」
冷戦時代のアメリカを舞台にした、人間女性と魚人系異種男性の恋愛ファンタジーです。

シェイプ・オブ・ウォーター観ました。
帰宅しておしゃべりするまでずっとシェイプ・「イン・ザ・」ウォーターだと思ってたけど。

なんか珍しく人がいるな~時間早いからかな~?と思ってたけど、アカデミー賞の作品賞とってたのかこれ。
監督賞もか。よっつ取ったのか。

ホラーっぽいのかなって警戒して行ったけど、こわくなかった!
異種恋愛スキーさんにはおすすめです。

R15なのでそれなりにそれなりですけどね。指とか。
えろいのは主人公側のケツゴーは直接的な描写はない。主人公側のは。

……あとね、最後はびっくりしました。
伝わって。
びっくりしました。

味方がいないと感じる人、ひとりだと感じる人に共感性の高そうな映画で、ギークっぽい感じがある。
でもたぶん「自分ってひとりだ…」って思ったことない人っていないから、割と世の人全体的に共感性高いやつだろうな!とも思います。

すっごーい!面白い!って感じじゃなかったんだけど、じんわりなんか残ってる。へんなの。
パンフ欲しかったけど財布にお金なかったし売店閉まってた…………かなしい…………。

帰ってから、父に「メッセージとどっちが面白かった?」と聞かれたんだけど。
…うーん…面白かったのはメッセージなんだけど…うーん…
って感じで、なんか残る映画でした。

ちょっとだけネタバレ。

最後、全員死ぬエンドかなってちょっと思ってました。
まあそれはそれでありなのかなって雰囲気の映画でもあったよ。

いや、ハッピーエンドです。
ヒロインとヒーロー(異種)は「そして二人はしあわせにくらしました」って感じ。

現実というか…リアル社会に残った友人2人にとっては、少しビターな終わりかも。
イライザは行ってしまったし。

ヒロイン側の味方陣営は、なんというか、ちょっと一般社会には溶け込めない人達なんですよね。マイノリティ。
話せない、同性愛者、黒人、スパイ。

その中でも、「自分ってひとりだ……」「わたし孤独だ……」って強く感じてると思われるのが、ヒロインと隣人画家ジャイルズで。
だからこの二人は強い友情で結ばれてる。
ていうかほぼ家族。この二人は家族。

旦那がいるゼルダ=デリラはさておき、ジャイルズ氏はほんとに一人になってないか。
家族たるヒロインが行っちゃって……大丈夫?
彼はイライザのしあわせを願うんでしょうけど。家族だし。
髪は生えたからいいのか。
まあにゃんこもいるか。

前半に集中してますが、ジャイルズが拒絶されるとこきっついよ。
顔で選んじゃだめだよー!

そうだなー。
これ、なんか「残る」映画だったんですけど。
ヒロインはリアル社会を脱出してハピエンで、でもその裏で、リアル社会に生き続ける友人達(マイノリティ)のことをもやっと考えてしまうからなのかな。

異種ヒーロー氏。
予告見た時は、怪物がヒロインだけを愛する、他の人間は喰らってやる、みたいなタイプかと思ってたんですけど、違ってた。
失礼しました。やさしかった。紳士&かわいい系。
……猫はあれですが。

アマゾン奥地でとある部族の「神」として捧げ物とかされてたらしいし、元々人間と交流する素地はあった感じですね。
敵対的反応ばっかりだったので敵対的反応を返していて、イライザは友好的反応を見せたので、友好を返したというか。

それともイライザが「お姫様」だって察してたから?
あのラストちょっともやってることはもやってるんだな。
ふふふっともなったけど。
求めてたのはハピエンなので、そこは良いんですけど。

イライザが「生まれ変わった」のか「生まれつき」なのか、それが問題だ。
ヒーローは結果として「迎えに来た」のか「連れ出した」のか。

でもどーーも、赤ん坊の時からだと、「生まれつき」っぽい気がするんですよね。
でも「生まれつき」だと、今までの、マイノリティゆえの悲哀、みたいのがひっくり返らないか?
いや……社会の中のマイノリティであることに間違いはないんだけど……。しゃべれなくて孤独で。
引っかかってるのは我ながらどこなんだろう。
友人達(他のマイノリティ達)を置き去りに、イライザだけが脱出できるの?生まれつきだから?って思っちゃうからかな。

孤独な人に共感する。
孤独な人がしあわせになる姿に、共感して自分もしあわせになる。
でもその「孤独な人」が、そもそも自分と違う存在だったら、今までの共感はなんだったんだって気分になっちゃう。

そこだけ、ちょーっと引っかかる。
ハピエンは嬉しいんだけど。

……傷を利用して「生まれ変わった」のなら別に引っかからないんだ。
私達と同じ存在から、ハッピーエンドで生まれ変わって「しあわせに暮らしました」なら引っかからない。
そういうことにしとけば良いかな、もう。
ぐあー、自分でわからなくなってきたー。これ、そこまで引っかかることか?

予告にもあった「そいつは人間じゃない」「彼を見捨てるなら、私達も人間じゃないわ」のくだりとかはすごい良かったし。
イライザはやっぱり人間なわけで。

ていうかあのイライザでないとあの魚人さんとの間に恋愛なんて成立しないんだから、「生まれつき」だろうが「生まれ変わった」んだろうが、同じことでは?
あの二人だからこそ美しいんだよ。
お風呂のシーンとかたいへん美しいよ。

うーん自家中毒に陥りそう。
やっぱパンフ買おうかな。

なんというか、やっぱり、イライザはあの純粋なイライザだからこそ脱出できるのであって、友人達(というか我々)は孤独でもリアル社会を生きねば……って気分にもなるね。

やだーイライザー置いていかないでー。
でもしあわせになってー。

やめやめ。ぐるぐるしてきた。やめよ。
イライザはヒーローとしあわせに暮らしました。それですべてよしだ。
だってイライザ達には、絶対幸せになって欲しかったんだ。
……でもそこはかとなく置いていかれた感。

すっごくジャイルズの気分です、私。
あははは。

最後、デリラとジャイルズが桟橋に佇むとこ、せつないよね。
でも幸せになってくれて、本当に良かったんだよー……。それは本当。真実そう思う。

「ボブ」博士も印象深いキャラですね。
容赦なさすぎて不謹慎だけどちょっと笑いました。
後ろ手にナイフ隠してるとことかすき。

イライザとデリラが下品な会話してるとこもすきです。
嘘でしょどうやってやったの!?ってあたりとか特に。
すきよ。

あー、イライザの女優さんすてきだったな。
やつれてて一見美人に見えないけど、目を引いて、ずっと見てるとうつくしく感じる、みたいな絶妙なところにいる。
いや実際には美人さんなんですけど。若くはないってだけだ。美人です。ていうか目を引く。赤とても似合う。
やつれ顔はメイクのせいもあるのかもね。

ちょっとだけと言いながら全然ちょっとで済まなかったな。
繰り返しますけど、異種恋愛スキーさんにはおすすめです!

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