こちらは『忍術バトルRPG シノビガミ』のリプレイ記事です。
プレイシナリオ:「刃魔正忍記 神の巻」 (『シノビガミ シナリオ集 正忍記・認』掲載、MASASHIGE氏執筆)
元は4人用シナリオの「刃魔正忍記」を、5人用シナリオに改変してプレイしています。
そのため、【使命】や【秘密】の文章、キャラクターや用語の設定などを一部、創作・変更して使用させていただいています。
(なお、シナリオ改変とは関係なく、GMが説明しやすいよう、多少表現を変えている部分もあります)
元シナリオ等、引用部分の著作権は著者、出版社・発売元に帰属します。
©冒険企画局 ©河嶋陶一朗 「忍術バトルRPG シノビガミ」
ネタバレにはくれぐれもお気をつけて!
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登場するPC
PC1 板鳥侑治(不知火)
・平和に暮らしていた学生忍者
・おそらく主人公
PC2 烏川流彦(私立御斎学園)
・PC1の命を狙う転校生
・おそらく裏主人公
PC3 高峰律(斜歯忍軍)
・PC1の幼馴染
・ヒロインはシノビガミとなった
PC4 天草雷(鞍馬神流)
・PC1とPC3の先輩…だった
・サポートキャラに見せかけたメインキャラ
PC5 巳ィちゃん(隠忍の血統)
・PC2の従者
・マスコットを目指した妖魔の一部
prologue ~箱庭の中で~
導入フェイズ
GM:それではおさらいから。 GM:前回は高峰さんが両断戦争の勝者となり、板鳥以外を殺害して十束剣を奪い、シノビガミと八岐大蛇の顕現、という結果になりました。 GM:シノビガミの力で、失われた命や破壊された街並みは回復を始めていました。ただ、八岐大蛇とシノビガミ、二つの大きな力に耐えきれず、東京は大きな地震と嵐に襲われ、生きているPCも、生き返ろうとしているPCも、視界を塞がれたところで、地の巻は終了となりましたね。
決然と立つ高峰。
草薙剣を憑り代に顕現しつつある神代の大妖魔に、取り込まれていく巳ィちゃん。
生き残った板鳥、早乙女。
シノビガミの力によって、生き返ろうとしている烏川、天草、獅童。
シノビガミと八岐大蛇。
二つの大きな力に耐えきれず、東京は大きな地震と嵐に襲われた。
GM:この時、シノビガミ以外のPC達は意識が途絶えます。そして揺れが収まり、高峰が気づいた時には、八岐大蛇は姿を消していました。 GM:ここで改めて、高峰の十束剣が強い光を放ち、東京全体を飲み込んでいきます。
0-1.巳ィちゃん(PC5)導入
出演:巳ィちゃん(PC5)
GM:舞台は一度東京の外へ。八岐大蛇となったみぃちゃんから導入を始めます。
八岐大蛇となった巳ィちゃんは、東京の外に出ていた。
まだ八岐大蛇は顕現して間もなく、万全な状態ではない。
憎きシノビガミ、素戔嗚尊を倒すには、力を蓄えなければならない。
巳ィちゃん(PC5)「ウ・・・ウーン、ボクは……」
巳ィちゃん(PC5)「これは……妖魔ミュ!?」
PL5:えっと、どうしよう(笑)
他PL:みぃちゃんは八岐大蛇なんですよね?
GM:もちろん八岐大蛇ですが…その首のひとつって感じですかね。
巳ィちゃん(PC5)「ウウ……世界を……終焉に……」
八本の首は、それぞればらばらに動き、力に惹かれやってきた小妖魔達を捕食している。
GM:みぃちゃんは食べても食べなくても良いですよ。
PL5:じゃあ食べます。ボリボリボリボリ、っと。
巳ィちゃんもまた、本能の赴くままに、ボリボリと妖魔を食らっていくのだった。
【PC八岐大蛇 使命】
あなたは大妖魔「八岐大蛇」として終末の世界に降臨した。あなたの力を狙う有象無象の魑魅魍魎を殺しながら、この世界への幕引きを考える。
あなたの【使命】は八岐大蛇として世界に終焉をもたらすことだ。
あなたは【奥義】を一つ追加で修得できる。
0-2.板鳥侑治(PC1)、烏川流彦(PC2)導入①
出演:板鳥侑治(PC1)、烏川流彦(PC2) ほか
GM:では東京に戻りましょう。まずは板鳥くん、烏川くん登場をお願いします。 GM:場所は、宝条学園、板鳥の教室です。
授業が終わり、教室はざわついている。
何事もなかったかのような平和な風景が、板鳥の眼前に広がっていた。
茂武「なあ板鳥、もう昼休みなのに、転校生起きないんだけど」
板鳥侑治(PC1)「……お、おう」
PL5:久しぶりのモブくん!
GM:最初、お二人は記憶が曖昧です。導入の最後で記憶は取り戻していただきますが…。
烏川はぐーぐーと健やかな寝息を立てている。
板鳥はぼんやりと彼を見下ろし、違和感を覚える。
板鳥侑治(PC1)「……なにか……変だ」
烏川カガリ「ユウジ~、昼どうする? 学食行く?」
烏川カガリ「…あれ、流彦寝てるのか」
PL:カガリだ!? PL:そうか、シノビガミが生き返らせたから、普通に学園生活を送っているのか…。
板鳥侑治(PC1)「ああ、今日の定食……は……」
烏川流彦(PC2)「ダメだスネーク……未来が変わってしまう……ぐーぐー」
PL2:早く起こして~(笑)
板鳥侑治(PC1)「(な、なんだ? 気持ち悪い……どうなってるんだ?)」
板鳥侑治(PC1)「(これは……存在しない、記憶……?)」
板鳥は額を押さえる。
何かがおかしいような気がする。しかし、掴みかけた片鱗は逃げていく。
カガリが教室に入ってきて、弟を揺り起こした。
烏川カガリ「流彦、起きなよ。学食行こう」
烏川流彦(PC2)「うーん、タイムパラドックス……はっ」
烏川はようやく目を覚まし、呆然と兄を見上げた。
烏川流彦(PC2)「ああ、兄さん……。変な夢を見たな……」
板鳥侑治(PC1)「流彦、寝ぼけてるんじゃない。学食行くぞ」
烏川流彦(PC2)「ああ、そうだな」
烏川流彦(PC2)「(板鳥と殺し合う夢なんて……変な夢だ)」
GM:それでは3人には学食に向かっていただいて。 GM:このシーンはこれで終了です。記憶を取り戻すのは後からやりますのでお待ちください。
【烏川カガリ 使命】
あなたはPC1の親友であり、PC2の兄である。あなたは宝条学園の生徒として、皆が楽しく過ごせることを祈っている。
あなたの【使命】は青春を謳歌することだ。
0-3.天草雷(PC4)導入①
出演:天草雷(PC4) ほか
GM:天草さんは12歳でしたよね。小学生ですか? 中学生?
PL4:小学6年生です。
GM:この宝条学園は全寮制の一貫校で、きっと初等部もある。ということで、天草は夜叉姫と一緒に、初等部と中等部の間くらいの中庭にいます。
中庭にあるベンチに、天草は夜叉姫と並んで腰掛けていた。
夜叉姫「朧丸様、はやく来ないかなあ」
天草雷(PC4)「やしゃちゃんってホントにぼろくんのことばっかね~」
天草は夜叉姫の顔を覗き込み、いたずらっぽく笑う。
天草雷(PC4)「もしかして好きなの? もうキスした?」
夜叉姫「いやだ、もう……」
PL4:小学生女子ってこんな感じのはず。 PL1:夜叉姫って天草と元々知り合いなんでしたっけ? PL4:友達だったんですよね? GM:という設定です。で、山城と夜叉姫が兄妹ですね。 PL1:山城夜叉姫…すごい名前だ(笑)
山城ヨウ「二人ともここにいたのか」
天草雷(PC4)「あっ! ヨウ兄!」
天草が顔を上げると、山城と朧丸が歩み寄って来るところだった。
朧丸「待たせてごめんね」
天草雷(PC4)「遅いよ~、ぼろ君! やしゃちゃんがさっきからね~」
夜叉姫「やめてったら!」
PL4:この人達は何年生なんですか?
GM:えーと、夜叉姫は中学生ってことにしますか。ヨウは高3で最高学年、朧丸も高等部ですね。……まあ、本来の年齢と一致してるかは不明ですよ。
山城ヨウ「自販機で温かい飲み物でも買おうか」
天草雷(PC4)「私コーンポタージュ!」
GM:ふふ、かわいい。 GM:では、天草は3人と校舎内に戻ってください。
【山城ヨウ 概要】
あなたはPC3の先輩であり、PC4の兄貴分である。
あなたは宝条学園の生徒として、皆が楽しく過ごせることを祈っている。
あなたの【使命】は青春を謳歌することだ。
0-4.高峰律(PC3)導入
出演:高峰律(PC3) ほか
GM:場面が移ります。時刻は夕方、放課後になります。
斜歯忍軍の、とある研究施設。
かつて妖魔に襲われ、基地としては放棄されたようだが、今、この施設に、妖魔達は恐れをなして近づかない。
強大な力の持ち主、シノビガミがいるからだ。
モニターには、帰路につく生徒達の姿が映し出されている。
ほの白く光る高峰の横顔に、声が掛けられた。
山城ヨウ「せっかく作った箱庭だというのに、律、君は行かなくて良かったのか?」
山城は制服を脱ぎ、彼の忍びとしての装束――黒い着物に身を包んでいる。
高峰律(PC3)「私は……一度みんなを手にかけた。何食わぬ顔で隣にいるなんて、もう……」
高峰律(PC3)「みんなが……ユウジが幸せなら、私はそれでいいんです」
高峰は振り返り、ほろ苦く笑った。
そんな彼女に、山城は硬い表情のままで告げる。
山城ヨウ「記憶を封じるにも限界はきている。遅かれ早かれ、彼らは思い出すだろう」
高峰律(PC3)「やっぱり、そうですか。未だ、この力は完全じゃないんですね」
高峰が得た、シノビガミとしての力。
しかしそれは、この東京内だけに限定され、しかも、安定しないものだった。
山城ヨウ「君が選んだのはさらなる茨の道だ。ここに至っては、私達は何を犠牲にしても八岐大蛇を倒さなければならない」
高峰律(PC3)「……それでようやく、世界は本当に救われる」
高峰は頷いた。
そう、彼女は八岐大蛇を倒し、今度こそ完全な『力』を手に入れなければならないのだ。
高峰律(PC3)「そろそろ、向こうも動いてくる頃でしょう。こちらも、迎え撃つ準備をしないと」
高峰律(PC3)「この身を削っても、八岐大蛇は必ず倒します。だから、先輩はみんなのことを……できるだけ、見守っていてください」
山城ヨウ「……君がシノビガミになる『可能性』は視ていた。でも君には、シノビガミになってほしくなかった……」
そう呟いてから、山城は「いや」とかぶりを振る。
山城ヨウ「私が言っても説得力はないな。君が十束剣を得たのは、ライだけでも生かそうとした私のせいだから」
高峰律(PC3)「過ぎたことです。私が八岐大蛇を滅ぼせば、何も問題ありません」
シノビガミとなった高峰により、山城は生き返った。
学園に通う十束剣達の中で、彼だけはそれを認識している。
なぜ高峰が、山城の記憶だけは奪わなかったのかは分からない。
シノビガミとなった彼女の行いを、山城なら肯定してくれると思ったのか。
大切な者を救うためならば他を顧みない、似た者同士であるからか。
山城ヨウ「……八岐大蛇の探索はこちらでやる。君は少し休みなさい」
高峰律(PC3)「ありがとうございます、よろしくお願いしますね」
彼が生き返って以来、気丈な少女は、張り詰めた表情しか見せていなかった。
高峰律(PC3)「でも、先輩も深入りはしないでください。また、死なれたりしたら目覚めが悪いですから」
山城は「肝に銘じておこう」と返し、彼女を仮眠室へと追いやった。
PL3:じゃあ、高峰は寝に行ったということで。
GM:はい、ありがとうございました。
【PCシノビガミ 使命】
あなたはシノビガミとして関ヶ原大戦の終末期に降臨した。あなたが本当の力を手に入れることでしか世界を完全に救うことはできない。
あなたの【使命】は関ヶ原大戦を終わらせることだ。
あなたはプライズ「天剣・理通」を持っており、【奥義】を一つ追加で修得できる。追加で修得した【奥義】は「天剣・理通」を持っている場合のみ使用できる。
【プライズ「天剣・理通」概要】
魔仭「十束剣」の力を束ねて作られた、PCシノビガミの持つ剣。
このプライズに【秘密】は存在しない。
0-5.板鳥侑治(PC1)、烏川流彦(PC2)、天草雷(PC4)導入②
出演:板鳥侑治(PC1)、烏川流彦(PC2)、天草雷(PC4)
GM:シノビガミが寝ている隙に……また学園に場面が戻ります。 GM:寮への遊歩道で、PC3人は顔を合わせてください。その瞬間、記憶が戻ります。
寮へと続く遊歩道で、彼らはついに邂逅した。
天草雷(PC4)「ユージ! ……に……ルヒコ……いや、イタドリにウガワ……?」
板鳥侑治(PC1)「よー、パイセーン……あれ?」
板鳥侑治(PC1)「なんでちびっこがパイセン、なんだ……?」
PL1:天草が化けていた『地虫パイセン』はこの世界にはいないので「なぜ天草に対して『パイセン』なのか」が大きな違和感になった、みたいな感じで。
板鳥侑治(PC1)「流彦、なんかあの子のこと知って……流彦?」
烏川流彦(PC2)「あれは……誰だ? 僕は……知っている気がする」
眉をひそめる烏川。
板鳥の中の違和感が、さらに大きく膨らんでいく。
板鳥侑治(PC1)「あれ、ずっと学校に通ってる俺はともかく流彦が知り合い……?」
烏川流彦(PC2)「初等部の子だぞ……知り合いなわけが……」
板鳥侑治(PC1)「でも知ってるんだろ? お前転校してきたの、まだ今週じゃなかったっけ?」
一方の天草は、烏川に対して、とっさに警戒の態勢を取った。
板鳥侑治(PC1)「お、おいおい、雷ちゃん何して……って、雷ちゃん……?」
板鳥侑治(PC1)「あれ? おかしいよ、な……なんだ? なんだこれ???」
烏川流彦(PC2)「……天草。お前は、天草、雷、か?」
天草雷(PC4)「烏川!! ……これは……幻!?」
烏川は頭痛をこらえるようにこめかみを揉んだ。
見知らぬはずの少女だ。
しかし、彼の脳裏には、かつて同じように武器を構えていた彼女の姿が蘇りつつある。
烏川流彦(PC2)「お前の差し金か?」
天草雷(PC4)「しらじらしい!! あなたの忍術じゃないの!?」
板鳥侑治(PC1)「ちょ、おい! 何してんだよ!」
天草雷(PC4)「板鳥! いい加減に目を覚ましなさい! 両断戦争を止めるのでしょう!!」
板鳥侑治(PC1)「いや、だって。両断戦争は最後にあいつが……」
PL2:フレーバー接近戦攻撃!
いきなり、烏川の高速機動が二人を襲った。
板鳥は慌てて烏川を止めに入る。
板鳥侑治(PC1)「おい流彦! いまそんなことしてる場合じゃねえだろ!」
烏川流彦(PC2)「ああ、そうだな。目は醒めたか?」
忍び達の超高速のやり取りは、一般の生徒達の目には映らない。
和やかな放課後の風景が、周囲には広がっている。
三人は改めて、顔を見合わせた。
板鳥侑治(PC1)「なんか、足りなくないか?」
天草雷(PC4)「そういえば律! そしてあの害獣!」
PL1:そういえば高峰さんってクラスにいたんですか? GM:出てきてはいなかったけど…えーと、PL3、どうします? このへんはシノビガミのご希望通りで大丈夫です。 PL3:うーん、クラスに存在しない感じですかね。 PL1:ずっと休んでるとかでもなく、存在しない? PL3:はい、初めからいなかったことになってる。
板鳥侑治(PC1)「みぃちゃんに……律ッ!! 二人共、律を知らないか!?」
幼馴染の少女が、なぜかこの学園には『存在しない』。
違和感の根本に辿り着いた板鳥は、必死に問いかける。
しかし、烏川と天草は、ともに首を振った。
烏川流彦(PC2)「僕にもわからん。みぃちゃん……高峰……今どこにいるんだ」
天草雷(PC4)「ちっ、いったん休戦ね。状況がわかるまで争ってもしょうがないわ」
そう言って天草は構えを解く。
烏川もまた、ため息をついた。
烏川流彦(PC2)「もうお前たちと戦うつもりはない。……今となっては無意味だ。それよりあの二人だ」
【PC1使命】
平和な暮らしを続けていた。その暮らしは偽りだった。力が欲しいかと問われていた。その問いには罠があった。友に剣を振るった記憶があった。その記憶は隠されていた。全てが明らかになった今、自分がすべきことは何か。
あなたの【使命】は学園の平和を取り戻すことと世界を救うことだ。
【PC2使命】
あなたが連れてきた従者は、妖魔「八岐大蛇」となった。それは世界を救う贄か、はたまた滅ぼす災厄か。今の状況は望んだ結果ではない。だが、自分にできることがないわけではない。
あなたの【使命】は世界を救うことだ。
【PC4使命】
山城ヨウは、あなたが死ぬことなく、平穏な暮らしを送ることを望んでいた。
シノビガミと八岐大蛇が顕現した今、世界がどうなっていくかは分からない。
あなたの【使命】は世界を救い、平穏に暮らすことだ。
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