「刃魔正忍記」リプレイ⑤ 朧丸との対決【ネタバレ注意】

こちらは『忍術バトルRPG シノビガミ』のリプレイ記事です。

プレイシナリオ:「刃魔正忍記 天の巻」
(『シノビガミ シナリオ集 正忍記・認』掲載、MASASHIGE氏執筆)

元は4人用シナリオの「刃魔正忍記」を、5人用シナリオに改変してプレイしています。
そのため、【使命】や【秘密】の文章、キャラクターや用語の設定などを一部、創作・変更して使用させていただいています。
(なお、シナリオ改変とは関係なく、GMが説明しやすいよう、多少表現を変えている部分もあります)

元シナリオ等、引用部分の著作権は著者、出版社・発売元に帰属します。

©冒険企画局 ©河嶋陶一朗 「忍術バトルRPG シノビガミ」

ネタバレにはくれぐれもお気をつけて!

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登場するPC

PC1 板鳥侑治(不知火)
・平和に暮らす学生忍者
・おそらく主人公

PC2 烏川流彦(私立御斎学園)
・PC1の命を狙う転校生
・おそらく裏主人公

PC3 高峰律(斜歯忍軍)
・PC1の幼馴染
・おそらくヒロイン

PC4 地虫風太郎 改め 天草雷(鞍馬神流)
・PC1とPC3の先輩…だった
・サポートキャラに見せかけたメインキャラ

PC5 みぃちゃん(隠忍の血統)
・PC2の従者
・おそらく…マスコット?

final ~朧丸との対決~

クライマックスフェイズ

X-1.クライマックス開始

忍び達の元に、炎の蝶が現れ、ひらひらと導くように飛んでいく。
朧丸が彼らを誘っているようだ。

みぃちゃん(PC5)「あれは、朧丸クンの気配を感じるミュ! 皆、気を付けるミュ!」
板鳥侑治(PC1)「ケリをつけようぜ!」
高峰律(PC3)「この学園の平和を乱した報い、受けてもらうわ」
烏川流彦(PC2)「ヤツは僕が殺す。この禍狩で!」

天草雷(PC4)「ヨウの仇を取る!」

PL4:……ん? 朧丸がヨウを殺したんですっけ? そうとは限らない?
GM:山城ヨウを誰が殺したかは不明です。天草は、襲撃されて死にかけているのを見ただけですね。
PL4:じゃあ違うかもしれないのか。

古い、現在は使われていない焼却炉。
炉をくぐると、そこは異空間につながっていた。
朧丸と夜叉姫が、忍び達を待ち構えている。

朧丸「来たな、忍びども」
板鳥侑治(PC1)「来たぜ、妖魔!」
みぃちゃん(PC5)「朧丸クン! みんなを元に戻すミュ!」
天草雷(PC4)「決着をつけようじゃないか」

朧丸は板鳥を睨み、「我ら十束剣、戦って勝者を決めるのみ」と呟く。

そして、烏川とその刀にも目を向けた。

朧丸「……カガリは良い奴だったよ」
烏川流彦(PC2)「黙れ!」
朧丸「俺も…平和に生きる夢を見た。だがそれは夢に過ぎなかった」
烏川流彦(PC2)「朧丸、貴様が僕に殺されさえすれば全て丸く収まるぞ」

みぃちゃん(PC5)「夢を現実に変える、それが魔法少女だミュ! 今からでも遅くないミュ! 朧丸クン、僕と契約して魔法少女になるミュ~」
朧丸「……皮肉だな。お前が人を助けるか」

脇に控えていた夜叉姫は、悲しげに天草に呼びかける。

夜叉姫「ライちゃん…? ……あに様は死んだのですね……」
天草雷(PC4)「そうよ! でも彼の意思は生きている! 彼からの最後の頼み、叶えてみせる!」
天草雷(PC4)「相手があなたでも容赦しないわ」

夜叉姫と天草は知人のようだ。しかし今は、敵味方に分かれ、対峙する。

GM:正直、PC4の記憶は今回抜かれないかなと思ってて、説明不足なので、ちょっと補足すると。夜叉姫は山城ヨウの妹です。天草と夜叉姫は友人同士でした。
※PL4には相談済

GM:ちなみに夜叉姫は比良坂機関の下位流派、醜女衆の忍者です。朧丸も妖魔化する前はきっと比良坂の忍者だったのでしょう。

X-2.クライマックス戦闘

板鳥侑治(PC1):【影分身】でファンブル
板鳥侑治(PC1):FT ファンブル表(3) > 情報が漏れる! あなた以外のキャラクターは、あなたの持っている【秘密】か【居所】の中から、好きなものをそれぞれ一つ知ることができる。

PL1:ここでか……。皆さん何知りたいですか?
他PL:板鳥の秘密で。
GM:はい、全体公開します。

【PC1秘密】
力が欲しいか。平和な生活の中、絶え間なくあなたの頭の中で響く声。応えたら世界が壊れてしまいそうで、これまであなたは何も返すことはなかった。
あなたは自分の手番で「自分の日常を取り戻す」【使命】を破棄して「力が欲しい」と宣言することで、力を手に入れることができる。力の正体は手に入れてみなければ分からない。

他PL:なるほど……?
GM:それでは、戦闘に入りましょう。
1ラウンド目

プロット5:天草雷(PC4)、朧丸
プロット4:板鳥侑治(PC1)烏川流彦(PC2)高峰律(PC3)、夜叉姫
プロット3:みぃちゃん(PC5)

プロット5/天草雷(PC4)のターン

天草雷(PC4):朧丸に【春雷】、命中
朧丸:回避判定、成功

プロット5/朧丸のターン

朧丸:【百燐】、失敗(ファンブル→逆凪)

GM:あー、ファンブルした―!

みぃちゃん(PC5)「キミの中の善の心はまだ生きてるミュ!」

プロット4/板鳥侑治(PC1)のターン

板鳥侑治(PC1):朧丸に【爆破】、命中
朧丸:【無我】を使用して回避判定、成功

PL1:逆凪なのに。
GM:逆凪中でも回避できる忍法ですね。1ラウンド1回だけですが。
プロット4/高峰律(PC3)のターン

高峰律(PC3):朧丸に【鎌鼬】、命中
高峰律(PC3):朧丸に【武器破壊】、失敗(ファンブル→逆凪)
→朧丸に射撃戦ダメージ1(生命力8→7)

PL3:うーん、出目が悪い……。
プロット4/烏川流彦(PC2)のターン

烏川流彦(PC2):朧丸に【文曲】、命中
→朧丸に接近戦ダメージ1(生命力7→6)

PL2:文曲のダメージ、どうします?
GM:逆凪なのでどうせ自動失敗ですが、野戦術で回避判定していたことにさせてください。というわけで1ダメージです。
プロット4/夜叉姫のターン

夜叉姫「わたくしの全ては朧丸様のために」

夜叉姫:奥義・女郎蜘蛛(範囲攻撃)
→PC全員に射撃戦ダメージ2
 板鳥侑治(PC1)の生命力8→6
 烏川流彦(PC2)の生命力5→3
 高峰律(PC3)の生命力6→4
 天草雷(PC4)の生命力5→3
 みぃちゃん(PC5)の生命力6→5 ※【逆鱗】効果発動

夜叉姫「わたくしの顔を見たな」
みぃちゃん(PC5)「う、うぐぐぐぐ! だミュ~」

プロット3/みぃちゃん(PC5)のターン

みぃちゃん(PC5):朧丸に【痛打】+【血旋渦】、いずれも成功
→朧丸に接近戦ダメージ2(生命力6→4)

みぃちゃん(PC5)「殴った僕のこぶしも痛いミュ!」

2ラウンド目

プロット6:烏川流彦(PC2)
プロット4:板鳥侑治(PC1)高峰律(PC3)、朧丸、夜叉姫
プロット3:天草雷(PC4)みぃちゃん(PC5)

プロット6/烏川流彦(PC2)のターン

烏川流彦(PC2):夜叉姫に【北斗】、失敗(ファンブル)
天草雷(PC4)の遁甲符で再判定、命中

天草雷(PC4)「これを使いなさい!」
烏川流彦(PC2)「ナイスだ!」

夜叉姫:回避判定、成功
烏川流彦(PC2):【連撃】+【北斗】、失敗(ファンブル→逆凪)

PL2:ああー!! 出目が!!

みぃちゃん(PC5)「流彦クーン!」

プロット4/板鳥侑治(PC1)のターン

板鳥侑治(PC1):朧丸に【爆破】、命中
朧丸:回避判定、失敗(ファンブル)
→神通丸で再判定、失敗(ファンブル)
→夜叉姫の遁甲符で再判定、成功

GM:くっ、全体的に出目が悪すぎる……。
プロット4/高峰律(PC3)のターン

高峰律(PC3):朧丸に【痛打】+【鎌鼬】、成功・命中
朧丸:回避判定、成功

プロット4/朧丸のターン

朧丸:天草雷(PC4)みぃちゃん(PC5)に【春香】、命中
天草雷(PC4):回避判定、失敗
みぃちゃん(PC5):回避判定、失敗
天草雷(PC4)みぃちゃん(PC5)は【春香】効果で逆凪

みぃちゃん(PC5)「ミュミュミュ~」

プロット4/夜叉姫のターン

夜叉姫:板鳥侑治(PC1)高峰律(PC3)に【辱】、成功
→射撃戦ダメージ1
 板鳥侑治(PC1)の生命力6→5
 高峰律(PC3)の生命力4→3

高峰律(PC3):兵糧丸使用(生命力3→4)

夜叉姫:みぃちゃん(PC5)に【接近戦攻撃】、命中
みぃちゃん(PC5):回避判定、成功

みぃちゃん(PC5)「ボクには心に決めた魔法少女がいるミュ!」

3ラウンド目

プロット6:板鳥侑治(PC1)烏川流彦(PC2)、朧丸
プロット5:高峰律(PC3)
プロット4:夜叉姫
プロット3:みぃちゃん(PC5)
プロット2:天草雷(PC4)

プロット6/板鳥侑治(PC1)のターン

板鳥侑治(PC1):朧丸に奥義《哭閃》(クリティカルヒット)
朧丸:奥義《火炎門》(絶対防御)

PL1:まあさすがにクリヒ対策はしてますよねー。
プロット6/烏川流彦(PC2)のターン

烏川流彦(PC2):夜叉姫に【北斗】、失敗(ファンブル→逆凪)

PL2:ちょっ、烏川ファンブルしすぎでは?

みぃちゃん(PC5)「どうしたんだミュ、流彦クン!」
烏川流彦(PC2)「クソッ、調子が悪い……禍狩の邪気が増しているのか!?」

プロット6/朧丸のターン

朧丸:間合内のPC(天草雷(PC4)以外)に【春香】、失敗(ファンブル→逆凪)

GM:うわああ、またファンブル……!

みぃちゃん(PC5)「朧丸クン! これ以上罪を重ねないでミュ!」
朧丸「邪魔をするな!?」
天草雷(PC4)「自分を犠牲に朧丸の動きを止めた!?」

プロット5/高峰律(PC3)のターン

高峰律(PC3):朧丸に【痛打】+【鎌鼬】、【痛打】は成功したが【鎌鼬】で失敗(ファンブル→逆凪)

PL3:駄目だー。
他PL:みんなして転びすぎじゃない? ひどい(笑)

みぃちゃん(PC5)「りっちゃん!? いったいどうなってるミュ!!」
板鳥侑治(PC1)「皆! しっかりしろ!」

プロット4/夜叉姫のターン

夜叉姫:みぃちゃん(PC5)に【触穢】、命中
みぃちゃん(PC5):回避判定、成功

みぃちゃん(PC5)「それはボクの残像だミュ……」
夜叉姫「くっ…わたくしの毒が当たらないなんて…」

プロット3/みぃちゃん(PC5)のターン

みぃちゃん(PC5):朧丸に【血旋渦】、成功
朧丸:【無我】で判定、失敗
→朧丸に接近戦ダメージ2(生命力4→2)
ミス、痛打は入っていなかったのに2点ダメージにしてしまった模様。

PL1:やっと戦況が動いた……。ビガミの戦闘、膠着しがち。
プロット2/天草雷(PC4)のターン

天草雷(PC4):夜叉姫に【陽炎】+【神槍】、成功・命中
夜叉姫:回避判定、失敗
→【後の先】の効果追加で夜叉姫に射撃戦ダメージ3(生命力3→0)
→夜叉姫脱落…

GM:あーあ、夜叉姫まだアイテム持ってたのにもったいない。使えばよかった。

天草雷(PC4)「あなたの顔、もっと他の時に見たかったわね……」
みぃちゃん(PC5)「なかなかのお点前だミュ!」
夜叉姫「朧丸様…!」

4ラウンド目

プロット6:板鳥侑治(PC1)烏川流彦(PC2)
プロット5:朧丸
プロット4:高峰律(PC3)
プロット3:みぃちゃん(PC5)天草雷(PC4)

プロット6/板鳥侑治(PC1)のターン

板鳥侑治(PC1):朧丸に奥義《哭閃》(クリティカルヒット)
朧丸:奥義破り判定、成功

プロット6/烏川流彦(PC2)のターン

烏川流彦(PC2):朧丸に【接近戦攻撃】、命中
朧丸:回避判定、成功
烏川流彦(PC2):【連撃】+【接近戦攻撃】、失敗(ファンブル→逆凪)

みぃちゃん(PC5)「流彦クンは床ペロが好きミュ……」
烏川流彦(PC2)「ゴロゴロゴロ」

プロット5/朧丸のターン

朧丸:PC全員に【百燐】、命中

板鳥侑治(PC1)高峰律(PC3)みぃちゃん(PC5):回避判定、成功

天草雷(PC4):回避判定、失敗
烏川流彦(PC2):逆凪のため自動失敗
→射撃戦ダメージ1
 烏川流彦(PC2)の生命力3→2
 天草雷(PC4)の生命力3→2

天草雷(PC4):兵糧丸使用(生命力2→3)

プロット4/高峰律(PC3)のターン

高峰律(PC3):朧丸に【鎌鼬】、失敗(ファンブル→逆凪)

プロット3/みぃちゃん(PC5)のターン

みぃちゃん(PC5):朧丸に【血旋渦】(高峰律(PC3)が感情修正)、命中
朧丸:回避判定、失敗
→神通丸で再判定、失敗
→朧丸に接近戦ダメージ1(生命力2→1)

GM:うー、回避判定で難易度9は厳しい! これでアイテムも尽きた。
プロット3/天草雷(PC4)のターン

天草雷(PC4):朧丸に【陽炎】+【神槍】、成功・命中
朧丸:回避判定、失敗(ファンブル)
朧丸:奥義・火炎門(絶対防御)
みぃちゃん(PC5):奥義破り判定、失敗
天草雷(PC4):奥義破り判定、成功
→朧丸に接近戦ダメージ2(生命力1→0)
→朧丸脱落…

X-3.エピローグ

天草雷(PC4)「地獄の炎よ!」
天草の剣が朧丸に届き、朧丸は膝をつく。

高峰律(PC3)「終わった……?」
烏川流彦(PC2)「しまった! 僕が禍狩のヒビを数えているうちに…」

朧丸「……負けたのか」

GM:朧丸にとどめを刺しますか?
PL4:うーん、天草は刺さないかな……。

みぃちゃん(PC5)「朧丸クン! もうやめるミュ!」
天草雷(PC4)「あなたが死ねば夜叉姫が悲しむ。生きる道を探しなさい」
夜叉姫「朧丸様!!」

夜叉姫が朧丸に手を伸ばそうとする。
しかしそこで、烏川が動いた。

PL2:心臓グサー
PL4:!?
GM:(あっ)

天草雷(PC4)「!?」
板鳥侑治(PC1)「!? おい! 烏川!」
みぃちゃん(PC5)「流彦クン!?」

GM:(……いやこれはもうこのまま行くか)

神刀・禍狩が、無情にも、朧丸の心臓を貫く。

朧丸「ぐっ……ああ……」
少年は倒れ伏し、呻いた。

朧丸「人間に…戻りたかった…」
夜叉姫「朧丸様!! 朧丸さま……あ……」

烏川流彦(PC2)「すまん…だが、これも世界のため…」
みぃちゃん(PC5)「こんなの、悲しすぎるミュ……」

天草雷(PC4)「あなた!」
天草は烏川を睨む。
烏川流彦(PC2)「墓は後で作ってやる…」

高峰律(PC3)「彼は学園の人々の命を奪った……これも因果応報、かしら」
高峰律(PC3)「でも、本当にこれでよかったの……?」

と、朧丸の屍が崩れ落ち、錆びついた小刀の姿になったかに見えた。
小刀は一瞬白く輝き、神刀・禍狩に吸い込まれるように消えてしまった。

板鳥侑治(PC1)「刀が……吸い込んだ?」

PL2:ところで、ロールプレイ的に、烏川には戦闘をやめる理由がないんですが。そもそもは板鳥を殺しに来たわけだし……続行しても?
GM:ちょっと待ってください。ここで戦闘は中断です。

不意に神刀・禍狩から禍々しい気が立ち昇る。
邪気はあっという間に烏川を飲み込んでしまった。
邪気に憑りつかれた烏川は、うつろな目で佇んでいる。

みぃちゃん(PC5)「流彦クン!!!」
板鳥侑治(PC1)「おい! 烏川! しっかりしろ!」
高峰律(PC3)「烏川くん! あなたはそんな邪気になんてやられるような人じゃないでしょ!」

GM:さて……?(ちらっ)
PL5:はい、じゃあいきます。

そして、烏川の前に、みぃちゃんが進み出る。
みぃちゃん(PC5)「流彦クン……ボクはこのために、ここまできたミュ」

GM:ではあわせて秘密も全体公開にしますね。

【PC5秘密】(再掲)
あなたは大妖魔である八岐大蛇の首の一つである。異界で磔にされた後の記憶しかなく、外の世界を知らないあなたにとって、解放してくれたPC2は恩人である。あなたの【本当の使命】はPC2を守ることだ。
あなたの身体にはプライズ「禍狩の欠片」が埋まっており、欠片の神気によってあなたは人の心を保てている。「禍狩の欠片」を失えば、あなたの身体はエピローグで八岐大蛇の邪気に憑依される。

PL5:ということです。
他PL:お前だったのか!
他PL:やっぱりお前怪しかったんじゃないか!

みぃちゃん(PC5)「カガリ! 欠片はボクが持ってるミュ! 持ってくミュ!」
異形の腕を伸ばすや、みぃちゃんは、自らに埋まった「禍狩の欠片」を切り離した。
みぃちゃん(PC5)「ボク、キミと一緒に冒険できて、本当に楽しかったミュ!」

禍狩の欠片が神刀・禍狩に吸い込まれる。
烏川の目に光が戻った。

烏川流彦(PC2)「僕は……? みぃちゃん!」
板鳥侑治(PC1)「みぃちゃん……」
その一方で、みぃちゃんは邪気に飲み込まれていく。

みぃちゃん(PC5)「グ、ググ……」
みぃちゃん(PC5)「流彦クン! りっちゃん! あとは任せたミュ……」

みぃちゃん(PC5)「グ、ググ……サヨナラ……」

みぃちゃんは夜明け間際の闇の中に消えていった。

高峰律(PC3)「そんな……」
天草雷(PC4)「怪物が世に解き放たれてしまった……」

GM:という感じでみぃちゃんは去っていきました…。
GM:……さて、板鳥はどうしますか?
GM:使命の達成には「学園の人々」の妖魔化解除が必要になります。
PL1:あ、そうか。やります。
GM:了解です。ついでにプライズ「呪刀・遊雨似」の秘密、全体公開にします。

【プライズ「十束剣(呪刀・遊雨似)」秘密】(再掲)
PC1に眠る「十束剣」には、破邪の力が込められている。PC1はエピローグで、妖魔化してしまった人や、何者かに憑依されてしまった人(ハンドアウト1枚分)を元に戻すことができる。
PC1が「力が欲しい」と宣言した場合、その対象をPC1が望む全てのものに変更できるが、その力を使うとPC1の身体は何者かに憑依される。

板鳥侑治(PC1)「そ、そうだ! 学園の皆は!?」

彼が辺りを見回すと同時に、呪刀・遊雨似から、破邪の力が放たれる。
すると、学園にいた餓鬼達の姿がくずれるようにして、中から人間の姿が現れた。
彼らは消耗しているようで、膝をつき、混乱した様子だが、確かに人間に戻っている。

板鳥侑治(PC1)「よかった……皆無事だ!!」

高峰律(PC3)「妖魔化が解けた……?」
板鳥侑治(PC1)「ああ! これで、学園は元に戻ったんだよ。良かった。本当に、良かった」
天草雷(PC4)「戻らないものもあることを忘れちゃいけないわ」
高峰律(PC3)「ユウジの記憶が戻ったのは誤算だったけど……悪いことばかりじゃなかったわね。おかげで、学園の皆を救えた」

GM:シナリオ中に秘密が全く公開されなかった烏川も、ついでに秘密公開してもらえます?
PL2:オッケーです。

烏川流彦(PC2)「みぃちゃん…」
従者を失い動揺する烏川。
心の防壁が弱まり、その隙間から彼の隠してきた秘密が覗く。

【PC2秘密】
力が欲しい。荒廃した世界で切望し続けた想い。あなたはシノビガミと化したPC1の力で崩壊した未来からやってきた時間渡航者だ。PC1がシノビガミとなる前に殺すため、あなたは渡来人・機関士の力を借りてこの時代までやってきた。機関士によると、PC1を殺すためには、未来から持ってきた「神刀・禍狩」に妖魔「朧丸」の瘴気を吸わせる必要がある。
あなたの【本当の使命】は「朧丸」を倒し、瘴気が吸収された「神刀・禍狩」を手に入れることだ。

あなたにはもう一つ【秘密】がある。

【PC2のもう一つの秘密】
あなたには幼い頃に渡来人・刀匠に連れ去られた兄がいる。刀匠はあなたと兄を前にして「力が欲しいか」と問いかけ、「欲しい」と答えた兄を過去の時代へ連れ去った。
PC5からはなぜかその兄の気配を感じた。現代まで連れてきた理由はそれくらいしかない。兄の名は、カガリと言った。

PL2:実は烏川は未来からやってきたのでしたー。
他PL:未来人!?
他PL:この情報があるとないとで、シナリオの印象が全然違う。
PL4:……あれ、ところで、残ってる夜叉姫はどうします? 殺すまでもない?
GM:あ、最後の描写入れますね。

結界が解けたところで、小物の妖魔達が夜叉姫の元に集まってきた。何やら報告をしているらしき素振りである。
朧丸を失い、力なくうなだれていた夜叉姫は、いきなり笑い始めた。

夜叉姫「ふふ、あははははは」

夜明けの時分、結界の外は次第に薄明るくなっている。
ところが、明るくなるにつれ、東京全体を覆う暗雲が、忍び達の目に入ってきた。

夜叉姫「始まったわ…両断戦争が再開された」
天草雷(PC4)「!?」
烏川流彦(PC2)「…なんだと?」

異変はこの学園だけでなく、東京全域を巻き込んでいたのだった。
妖魔蔓延る東京各所で、十束剣を持った少年少女達が戦っていることが、夜叉姫の口から語られる。

夜叉姫「私はもう関わらないわ。……相争え、血を流せ、十束剣たち」
天草雷(PC4)「……」
高峰律(PC3)「このままじゃ東京が……!」

茂武「おおーい、お前達、大丈夫か!?」

とはいえ、学園には束の間の平穏が戻った。
忍び達の手で結界が張られ、生徒達はようやく妖魔から逃れることができた。

GM:というわけで、十束剣による「両断戦争」は、また次回です。お疲れさまでした!

終わりに

終了後のやりとり

PL:このシナリオどこまで想定されてるんだろう……。
PL:みぃちゃんが憑依されるパターンと、烏川が憑依されるパターン?
PL:どちらともを救うことはできない?

GM:PC1の板鳥が「力が欲しい」と宣言することで、妖魔化した人、何かに憑依された人の全員を元に戻すことができました。学園の人々、PC2の烏川、PC5のみぃちゃん、全員救えますね。ただ、その場合は、代わりに板鳥が何者かに憑依されます。
PL:誰かは絶対に憑依されるってことですね。
GM:ですね。その状況によって次回のハンドアウトも変わりますので。

PL:次回はどうなるんでしょうね。
PL:十束剣全員出てくるのでは?
PL:さすがに全員は多いから、カガリとかみたいに何人か死んでるんじゃない?

GM:次回はNPC多いので、早めに退場させていただくとGMが助かりますね…。
PL:NPC多いのか。つまり割と十束剣出てくる……?
GM:(……さて。朧丸が死んだということは……)

功績点の配布

・流儀の達成:板鳥侑治(PC1)高峰律(PC3)天草雷(PC4)
・セッションに最後まで参加した:全員
・ロールプレイ(感情や信念):全員
・プライズの獲得:板鳥侑治(PC1)烏川流彦(PC2)天草雷(PC4)
・琴線に触れた:みぃちゃん(PC5)みぃちゃん(PC5)に4票、烏川流彦(PC2)に1票)
・使命の達成:全員

板鳥侑治(PC1)天草雷(PC4)が7点、烏川流彦(PC2)高峰律(PC3)みぃちゃん(PC5)が6点

※「琴線に触れた」の投票結果が偏ったため、今回はみぃちゃん(PC5)に1点のみ付与(烏川流彦(PC2)にも付与せず)としました(地の巻がPvPシナリオなので、あまり各PCの功績点に差をつけたくなかった)。

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