スグリという少年が執着したもの【ポケモンSV ゼロの秘宝 感想】

DLCとっっても楽しかったので感想を!

ポケットモンスター バイオレット
追加コンテンツ「ゼロの秘宝」
・前編「碧の仮面」
・後編「藍の円盤」
(Switch)

とにかくゼイユがおもしれー女すぎてほんと好きで、自分は何よりもゼイユ見てるのが楽しかったです。

その一方で、スグリにはなんだか考え込んでしまいました。
この記事では、それを言語化していこうと思います。

妄想たくましくしてますが、あくまで個人の感想です。

スクショいっぱい入ってるので、プレイ後推奨。

スグリからの「憧れ」

ポケモン世界って、子供みんながトレーナーとして旅する感じなので、バトル弱い少年少女、あんまり仲間内での人権なさそう。
こっちでいう、体育ぜんぜんできない子、みたいな?(これは古い考えかもしれませんが)

つまり、スグリが主人公に憧れた理由って、「ポケモンバトルが強かったから」でしかないんじゃないかな、なんて思うんですよね。

スグリと主人公のファーストコンタクト、主人公がゼイユにバトル仕掛けられて勝ったところなわけじゃないですか。
それでもう翌日には、ゼイユが「スグったら、昨日からあんたの話ばっかり」みたいに言うんですよね。

は、はえーよ!!

……ジムチャレンジ中とか学園内なら分かるんです。努力する人って魅力的に見えるでしょうし、ファンもつくよね。
でもキタカミ来てやったことって、ほんとにゼイユに勝ったくらいですよ…?

もちろん、ゼイユは強い方なんだとは思います。
ブルベリ四天王に匹敵するくらいは強い、っていう自認みたいだし。四天王になってないのはやってないだけ、みたいなこと言ってた。
自称なので実際のところは不明ですが、少なくともこの時点のスグリよりは確実に強いでしょう。

スグリ、別に田舎の世間知らずというわけではない。
ブルベリに通ってるわけだし、色々なポケモントレーナーも見てるはず。
……同い年で一年生の主人公が、三年生でブルベリでも上位のゼイユに勝った、というのが大きかったんでしょうか。

単に一目惚れ(友人としてでも恋愛でも)って可能性はありますけど、後々を考えると、スグリは結局バトルに重きを置いてしまっていくので、やっぱり突き詰めると「バトルが強かったから」憧れたんじゃないかな。

バトルの魅せ方みたいなのもあったかもしれない。
主人公のバトルは、うまいバトルだったのかも。
(プレイヤーはごり押しばっかりですが!)

少しずつスグリが打ち解けてくるの、人慣れしない動物が懐いてくるみたいで嬉しくはあったんですが。

なんか、最初のスグリと主人公の関係って、カースト下位の陰キャが、カースト上位の陽キャに優しくされて嬉しくなっちゃうみたいな感じじゃないですか?
都会から来たきらきらした子が、仲良くしようって笑いかけてきてくれるから、余計にまぶしいみたいな……。

そういうチョロさの気配、ない?
主人公がなんとなく無意識に、スグリに上から「仲良くしよう」っていっちゃってる気配、ない?

さすがにこれは穿った解釈でしょうけども。
ポケモンの世界観ですので、実際にはスグリがカースト下位みたいな事実はなくて、主人公もそんな施してるみたいなことはないんでしょう。
何事も起こらなければ、爽やかに仲良くなって一夏の思い出って感じで終わったはずだったと思います。

でも、ポケモンバトル強くて、性格も明るくて、誰とでも仲良くなれる主人公って子は、圧倒的にカースト上位なんだろうな、というのをここで改めて認識してしまった感がありました。
プレイヤーもまた陰の者なので、スグリの方が身近な感じなんです。
だから、分身である主人公よりも、スグリの方がなんか、心情的に距離を取りきれなかった。
そ、そりゃこんなきらきら系の子に優しくされたら嬉しくなっちゃうよね~!?という、こう、若干の憂鬱混じりの共感を覚えてしまうんです。

そして鬼(悪役)に感情移入したり、後々の直接指摘せず裏で怒りを募らせるスグリには、やっぱりなんかカースト下位の陰の者っぽい、じめっとした感触がある…。

スグリが執着した「勝利」というもの

で、ですよ。
主人公には鬼との出会いがあるわけですね。

こういうとこね、主人公が主人公だからこそなんですよ…!

スグリは運命に選ばれない。
もうめちゃくちゃ残酷だと思います。

3つ目のオリエンテーション写真で斜に構えて立つスグリは格好良いんだけど。
でも関係性的に駄目な方向にしか進んでないのよ。はらはらする。

しかも(主人公と同じくカースト上位っぽい)ゼイユは協力者ポジションにつくわけです。
……残酷では?

だんだんスグリとうまくいかなくなるのは、ゼイユの空回りも大きいけど、やっぱり主人公も悪いんですよね。
2人して、オーガポンのことを、スグリに言わずに隠しちゃったのは事実なわけです。

プレイヤーとしては言いたかったけど!
それ絶対こじれると思ってたけど!

自分は女の子でプレイしていたので、女の子同士でつるんでしまって、男の子のけ者にしちゃった感もすごかった。
ゼイユが「男の子の思春期ってなんか怖くない?」とか言うから余計に。
(※そしてここは「怖かった」と返すべきかなと思ってそっちを選択したプレイヤー)

とはいえですよ。
別に最初からスグリにちゃんと秘密を共有してたとしても、結局行き着くところは一緒だった気もする。
憧れは、コンプレックスの裏返しでもあるから。

オーガポンと3人で行動するようになってからは、少し安堵したのだけど、それも束の間でした。

(そしてそこからのゼイユとの相棒感もすごい)
(またスグリだけ、はぶにしちゃってる……)

そうして、スグリが最後に主人公に挑むのは、やはり「ポケモンバトル」なわけですね……。
結局バトルにいってしまう。

他にも何かあったんじゃない?と画面の前にいる私は思うけど。
でもあの世界って結局すべてがポケモンバトルなんだよな……。
そして、相手がポケモンであれば、ボールに入れてゲットすることが全てなんだよな……。

アニポケや映画なら、あそこで、主人公も含めてみんなが、伝説のポケモン(オーガポン)と別れる選択肢があるはずなんですよ。
でもこれはゲームだから、どうしても、主人公にゲットさせないといけない。
図鑑完成させなきゃだから!

オーガポンも無邪気に残酷なんだけど、世界も残酷だよ。

そして結果、バトルに負けてもなお、スグリは「自分が弱かったからだ」と悔やんで、バトルスキルを高める方にいってしまう。

そのスグリの勝利への執着が前面に出てくるのがDLC後編「藍の円盤」ということですね。

スグリの「二面性」

前編「碧の仮面」でのほのぼのしたスグリも。
後編「藍の円盤」でのとげとげしたスグリも。

どちらも彼の本質なんだと思います。

プレイヤーはつい、棘が取れたら「良かった、戻った!」と思ってしまうけど、でもたぶんそうじゃない。
どちらの側面が表に強く出るか、でしかないんだと思う。

だってあれじゃない?
かつて子供だった頃、教室でわいわい騒ぐ子達に、羨ましさと一緒に、ほんの少しの恨みがましさと、筋違いの怒りを感じていなかったと言えるか…?
全方位に恨みがましさを向けてしまうの、とてもとても陰キャじゃないですか?
(※個人の感想です)

ただそうやって全方位を敵と見なすのは、精神が安定していなくて不健康ではある。
自分がいらいらしてる時って、どうしても他に対してもきつくなっちゃうからね。

スグリは後編でも、やはり、勝ち上がってきた主人公にバトルで負ける。
バトルで、彼が土俵に選び続けた場所で殴らないと、もうこればっかりは仕方なかった。

それでも、スグリは「主人公に勝つこと」に執着し続けて……。
あのマスターボールのシーンに繋がっていく。

スグリは努力ができる、努力を実らせることができる、優秀なポケモントレーナーではあった。
でもきらめくセンスの塊みたいな、主人公には勝てない。
主人公もまた努力するタイプなら、そんなの余計に勝てないし、才能で突き進むタイプなら、それはそれで本当に運命が残酷。

でもね、エリアゼロでの振る舞いを見るに、再び主人公に負けたことで、呪縛は解けかけてもいたのかもしれない。
エリアゼロの圧倒的非日常感で、童心に返ってたのも大きいんでしょうが……。

テラパゴスとの戦いで、最後に目に光が戻ったところは、まだか、まだか、やっとか!!!と思いましたけど。
あそこまで追い詰められないと認められなかったんだね。
ぎりぎりまで追い詰められないと、執着を手放せなかった。

あの覚悟の決まらなさも、身近に感じます。

ゼイユねーちゃん好きだ!

はい、じゃあ大好きなゼイユの話をしよう!

まず第一印象は「顔が良い」。
顔はすごい綺麗だと思う。前髪へんだけど。
バトルシーンのアップはうつくしい。

でもさー挙動がね!
わなわなするの可愛いね!
きぃーってなるの可愛いね!

それでいて両手ゆっくりめにひらひらするのも可愛い。
おしとやか風というか、おすまし風というか。
アイドルの真似する一般人っぽくて可愛い。

最初はよそものどうこうと言っていたけど、態度の軟化は早かったですね。
スグリが主人公と仲良くなりたそうだったのが大きいのかな。
バトルして負けたのでちょっと認めて、弟も興味津々だし、的な?
(ペアのメガネ君のことはちょっと放置しすぎですよ!自由だな!)

ブライアとのやりとりなんか見てても、面倒見はいい方だと思うけど、だからといって別に年下に憧れられるタイプではないよね。
一緒になって遊ぶ系ですね。

気が回らなくて、空回るところはたぶん結構ある。
それが前編の展開に繋がってるんですもんね。
スグリにオーガポンのことを隠す。
その気遣いは逆効果というか、そもそもなんでそうしようと思ったのか…。
絶対仲間に入れた方がいいだろ…。

そして、後編の憂鬱な姉っぽいムーブも美しかったよ。
スグリ、ゼイユに心配かけるんじゃない…ってずっと思ってた。
だから余計に「早くスグリ殴らなくちゃ!」という感情も大きかったですね。

顔がいい!!!

四天王達もかわいい

ブルーベリーの子達も良いキャラでしたね。
みんな可愛い(カキツバタを除く)

カキツバタはゼイユがすごい警戒してたから、ほんとに何かたくらんでるのかと少々疑ってましたが、別に全然そんなことなかった。
まあ……スグリへの対応とか見るに、表面のからっとさとは裏腹に、じっとりした印象は受けましたが。
もうちょっと圧力かかったら化けそうな気はするんだけどな、こいつ。
でもその前に逃げそうだからな~。

ゼイユがカキツバタに「デート!?!?」みたいに極端な反応してたのも楽しかった。
なんであんなにカキツバタのこと嫌いなの?笑
あそこ、男の子主人公でやってたらそれもそれで楽しかっただろうな。

四天王周辺は、カップリング妄想もいろいろはかどりそうですが、私はカキタロ派ですかね。
アカマツくんも可愛いんだけど…タロちゃんタイプって、ダメンズのお尻叩く方が合う気がするんだよね……。

番外編すごく良かった!

いやもう本当にね!!!!
めちゃくちゃスクショ撮った!!!!

ホームウェイ組は見たかった反応をしてくれるし!
キタカミ組に対する「バトルしようぜ!(ノータイム)」なネモ、ほんとにほんとに見たかったんだよ!!!

ボタンはスター団とのエピソードが手前にあったので、この番外編ではそんなに目立ってはなかったけど、全体的にとてもボタンでした。
仲良くはゆっくりめでよろしく。可愛い。
人見知りは人見知りを見抜く能力あるんよね、とか、いちいち台詞が良いよね。

ペパーには、あ、こういう感じ?と思いましたけど、そういえば結構人見知り系だったよなと思い出すなど。
初対面の態度悪かったよね、そういえば。
友達が取られて面白くない素振り、めちゃくちゃ可愛い。
そして後からちゃんと、態度悪かったよな、ごめんなって謝るところも可愛い。

ネモは本当にネモ!
主人公もにやついてて可愛い。

そしてネモ、速攻でスグリぼこぼこにするんかい、というね笑
主人公には負けたけど、スグリはブルーベリー学園では一番強いんだよ……?
「勝っても負けてもポケモン勝負って楽しいよね!」がすごく良かった。ネモだからこそ、この言葉に来るものがある。
その後のスグリのほんのり柔らかな笑みも含めて、ほんとに嬉しかった。

ところで主人公が「キタカミでもやりたい放題ちゃんだな……」って言われてたの面白いな。
そんなにやりたい放題してないよ!
ゼイユとオーガポンのせいだよ、おおむね。

事件はありましたが、取り憑かれてもなお面白い友人達とか、何よりスグリがほのぼのしてて、柔らかく笑ってくれて、感慨深かった。

それでいて、スグリのバトル時のモーションに、神経質そうな動作が残ってたのも良かったな。
後編スグリを使ったことによる、開発的な都合だったかもしれませんし、そうではなく意図的なものかもしれない。
ともあれ、スグリにはやっぱりそういう側面もずっとあるんだよなと思えて、良かったです。

ひとつだけ言うと、ゼイユとのやりとりがもっと見たかったな~~!
スグリよりゼイユの方が初対面の化学反応もっと大きかったと思うんですよ!
でも桃のせいで初対面スキップされた!
見たかったよ!!!!!

まあネモがバトルにめちゃくちゃ付き合わせてたらしいのは見れたから良いか……。

ああ……良かったなあ……。

おまけ:思い出のスクショ(本編含む)

たぶんチャンピオンロードクリア直後↓

ザ・ホームウェイの、突入する時、すごーくわくわくして楽しかったな……。

たぶんこれはホームウェイクリア時のメンバー↓

ちなみに主人公の名前を「ハトハネ」にしてたのは、バイオレットなので紫系の色から名前つけようと思って、「鳩羽色」を由来にしたからです。
なので、アイメイクを紫にしてたら、なんかカラーリング的にカキツバタとまじもんのきょうだいみたいになっちゃったのは面白かった。

DLCでのダブルバトルも楽しかった!ああいう感じか!

四天王と同レベル帯でやりたいなと思ってDLCで捕まえた子達を育成してみたり、本編で最後に使ってた子達を引っ張り出してみたり、色々とポケモン使ったのも楽しかったです。

うちの草(アノホラグサ)は、いつだってピンチを助けてくれる草。
草がこらえてくれてなかったらカキツバタに勝ててない。草は有能なんだ!
(確か本編でもチリちゃんにどうしても勝てなくて、そこで草をいきなりパーティーインして、それでなんとか勝ったんだよな……)

まあスグリは礼儀として最強メンバーで挑まなくては、と思って、でもレイド用で行くのもちょっと違うから、本編最後の方でパーティーインしてたメンバーにオーガポンを混ぜて、行きました。
キタカミではウルガモスとテツノブジンが猛威を振るうばかりで、ラウドボーン(100)お留守番だったし…。
(※ジバコイルは本編時点から2匹育成していたので、DLC後編でつれてたのは本編クリア時と別個体ですが、誤差です!)

でも実際にやってみたら、ラウドボーンしか生き残りませんでした。
楽勝だと思ってたのに!スグリつよ!

スター団シナリオも良かったですよね~。

ああ、楽しかったな。
まだキタカミ&ブルーベリーの図鑑は埋まってないし、部室でのやりとりも全然未回収なので、BP集めはやっていきますが、とりあえずめでたし!

コメント

タイトルとURLをコピーしました